パバーヌ(Pavane)の本当の意味とは?その歴史とは?

パバーヌといえば、フランスの名作曲家2人の代表作が思いつきます。その1人がフォーレ(Faure)、もう1人がラベル(Ravel)で彼の代表作に「亡き王女のためのパバーヌ」があります。

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フォーレパヴァーヌについて、Wikipediaによると

1886年管弦楽曲として作曲され、翌1887年に合唱パートが追加された。詩はロベール・ド・モンテスキューによる。管弦楽曲にも合唱曲にも分類されるが、管弦楽のみで演奏されることも多い。『レクイエム』と並び、フォーレの中期を代表する傑作である。

フォーレならではの甘美で崇高、清楚な旋律美で知られ、管弦楽版の他にピアノ編曲(フォーレ自身が演奏している録音やピアノロールも現存)や独奏、他にもさまざまな編曲がなされ、ポピュラーのソロ・ボーカル曲としても歌われている。また、劇付随音楽マスクとベルガマスク』の終曲(第8曲)にも使われている。ガブリエル・フォーレ - Wikipedia パヴァーヌ (フォーレ) - Wikipedia

とされています。フォーレの音楽は(個人的な感想にはなりますが、)甘美・優美で音の美しさをそのまま音楽に表したような楽曲が多くある印象です。

フォーレの代表曲では、「夢のあとに」や「ヴァイオリンソナタ第1番」、「ピアノ四重奏」などがあり、個人的にどれも大好きな曲です。樫本大進のヴァイオリンソナタ第一番は名演奏です。色彩豊かな音色の中に樫本大進の情熱が織り混ざった渾身の録音です。

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続いては、亡き王女のパバーヌ(Pavane pour une infante défunteについて、Wikipediaでは次のように書かれています。

「原題のinfante défunteは文字どおりには「死んだインファンタ(スペインの王女の称号)」を意味し、韻を踏んだ表現が選ばれている。ラヴェルによると、この題名は「亡くなった王女の葬送の哀歌」ではなく、「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ」だとしている[1]。よって、日本語の表記においても、「亡き王女」と表現すると、死んだ王女という意味が強くなるため、あえて漢字を使わずに「なき王女」と表記することもある。

この古風な曲は、歴史上の特定の王女に捧げて作られたものではなく、スペインにおける風習や情緒に対するノスタルジアを表現したものであり、こうした表現はラヴェルによる他の作品(例えば『スペイン狂詩曲』や『ボレロ』)や、あるいはドビュッシーアルベニスといった同年代の作曲家の作品にも見られる。諸説あるが、ラヴェルルーヴル美術館を訪れた時にあった、17世紀スペインの宮廷画家ディエゴ・ベラスケスが描いたマルガリータ王女肖像画からインスピレーションを得て作曲した、とされる[2]。」亡き王女のためのパヴァーヌ - Wikipedia

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この曲は、もともとピアノのための楽曲として作曲されたもので、アリス・紗良・オットさんと辻井伸行さんの演奏はとっても感動的なものなので、ぜひご覧ください。特に辻井さんの音の透明度や純粋さはすごいです。

 

この二曲は、例えば「ベルリンフィル12人のチェリストたち」が編曲版を演奏するなど、世界中で演奏されるフランス音楽を代表するような音楽です。ベルリンフィルの12人のチェリストたちは、音色はもとより、チェロが12人集まっただけで、こんなに厚みのある、開放感にあふれた、爽快感あるサウンドを生み出せるのか?!と驚いてしまうくらいに素晴らしいアンサンブル集団です。YouTubeディスコグラフィーに多くの録音や動画がありますので、ぜひ聴いてみてください!

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話は大脱線しますが、ベルリンフィル12人のチェリストたちの演奏曲の中で、個人的に一番好きな曲は、ヴィルヘルム・カイザー=リンデマン(1940-2010)が、ベルリンフィル12人のチェリストたちのためにオリジナルに作曲した、ボッサノヴァ(Bossa Nova)という曲です。以下にYouTubeのリンクを貼らせてもらいます!

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では、本題に戻りましてパバーヌとはどういう意味なのでしょうか?

大辞林によると、「16世紀にヨーロッパで流行した緩やかな宮廷舞踊、またそれに用いられる二拍子系の舞踊。」とされています。

ブリタニカ国際大百科事典によると、「16世紀初頭のフランス宮廷舞踊の一つ。スペインを起源とし、孔雀pavoの優美さを真似た威厳に満ちた面持ちで、ゆっくり、列を作って踊られる群舞。紳士淑女はお互いに会釈し、前進、後退して踊る。ゆったりとした2拍子(初期には3拍子のものもある)で、速い3拍子のガリアルドがそれに続くことが多かった。16世紀後半から17世紀にかけて、パバーヌとガリアルドは舞踊としてはあまり踊られなくなり、パッサメッツォとサルタレロがこれに取って代わったが、舞踊としてはイギリスのバージナル楽派により作曲が続けられた。

よく調べてみるとpavoというのは、スペイン語ラテン語で孔雀という意味のようです。

pavoの読み方・発音・意味|孔雀のスペイン語:ネーミング辞典

pavoの読み方・発音・意味|孔雀のラテン語:ネーミング辞典

下のリンクからパバーヌの実際の様子を16世紀初期にツールーズという人が絵画にしたものを、みることができます。

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舞踊音楽にしては、とても落ち着きにのある曲ですが、確かに貴族が舞踊の際に嗜む音楽としては、その曲調も大変に魅力的に聞こえますし、ノスタルジアさえ感じさせてしまうような感動的な音楽ですよね。

 

先ほど、パバーヌは、イギリスで、バージナル学派に発展したと書きました。

まず、バージナル音楽の由来について。当時イギリスでは、エリザベス1世(エリザベス1世 - Wikipedia)が王位に就いていました。彼女は生涯独身だったことから「処女王」(The Virgin Queen)とも言われている人物です。このことから彼女の名前をとって、新大陸でイギリスが獲得した13植民地の一つをバージニアと名付けました。(バージニア植民地 - Wikipedia)そして、そんな時代背景がありながら流行した音楽が、バージナル楽派と言われるようになったというわけです。

ジョン・ダウランドやウィリアム・バードといった作曲家らが、バージナル楽派を代表する作曲家で、フランスで流行していたパバーヌを受け継ぎ、作曲を続けました。

洗足オンラインスクール・オブ・ミュージックのホームページでは、バージナル楽派について以下のように記載しています。

イギリスはエリザベス女王(即位1558年~)の時代に文化や音楽が開花します。ロンドンではシェイクスピアの演劇が上演され、人々はダンスや音楽に興じました。楽器ではリュートやガンバ、チェンバロ・タイプの鍵盤楽器ヴァージナルが愛好され、ガンバ属やリコーダー属によるホール・コンソートや英語の世俗歌曲(リュート歌曲や多声のマドリガル)が演奏されました。

バージナル楽派の音楽は下のページから聞くことができますのでぜひご視聴ください!

www.senzoku-online.jp

 

そんな歴史を持つパバーヌ、ラヴェルフォーレがその曲想に合わせた楽曲を19世紀に作曲し、それが現在まで残っているということですね。

今回、パヴァーヌってなんだ?という疑問から始まりましたが、自分の好きな演奏をたくさん紹介できて嬉しかったです!それでは!