効率的な練習とは??脳科学の視点から!
こんにちは!今日は東京で雪が降りましたね!寒いけど案外半袖Tシャツ一枚も涼しくて気持ちいいなぁって言ってたら、親に心配されました。
今日は効率的な練習について、TEDedの動画をベースにまとめます。
このシリーズは奥が深く他にも記事を見つけたので、続編が続くと思います。
練習とは?(辞書曰く、)
技能・芸事などが上達するように同じことを繰り返しならうこと。
TED動画では、
上達するという目標を持ってある行動を繰り返すことで、練習を繰り返すとより簡単に素早く自信を持ってできるようになる
と定義されています。
でも、練習を続けても、上手くなる人と、下手なまま変わらない人といると思います。練習で物事が上達するのは脳内で何が起きているからなのでしょうか?
まず脳について、
脳には灰白質(gray matter)と白質(white matter)が存在します。
・灰白質・・・脳内の情報を処理し信号や感覚刺激を神経細胞に伝達
・白質・・・脂肪細胞と神経繊維からできている
(瞑想の話と絡めると、マインドフルネス瞑想によって、海馬内の灰白質の濃度が増加するというのは前の記事で書きました。参考になると思うので別サイトのリンクも載せました。)
それで、身体を動かすためには、情報が脳の灰白質から脊髄(=背骨の中にある神経のこと、辞書では脊柱管内にある中枢神経)を伝わり、軸索と呼ばれるチェーン状の神経繊維を通じて筋肉に伝達されなければなりません。
じゃあ結局、練習は脳内の活動にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
白質にある軸索(axon)はミエリン(myelin)と呼ばれる脂質に覆われています。(ミエリンは髄鞘とも言います)bsd.neuroinf.jp
=>ミエリンの鞘(さや)状の覆いが練習により変化し、どんどん分厚くなっていきます。
ミエリン鞘は電気ケーブルの絶縁体に近いもので脳が用いる電気信号を送る際のエネルギーロスを低減し、神経路に沿って、電気信号がより効率よく伝達できるようにします。
ネズミを対象とした最近の研究では、ある身体的動作を繰り返すと軸索を絶縁するミエリン鞘の層が、分厚くなると示唆されています。そして層が分厚くなるほど、軸索のチェーンを包む絶縁が強くなり、一種の情報超高速道路が出来上がり、これが脳と筋肉を結ぶようです。
上に載せた京都大学の記事は、ミエリン鞘(=髄鞘)の肥大化と電気信号の高速化の関係について記述されています。参考までに!
多くの演奏家やスポーツ選手は、動作を筋肉が覚えると思っていますが、実際には筋肉が記憶するということはないようで、正しくは、神経回路のミエリン化が進んだおかげで、その運動選手や音楽家がより早く効率的な神経回路を身につけた可能性が高いというものです。
当然ですが、練習時間を増やせば、マスターできるというわけではありません。練習の質や効率がとっても大切です。
TEDの動画では、効率的な練習とは、
1一貫性があり
2しっかり高い集中力が保たれ
3その人の現在の能力ギリギリの内容や弱点に狙いを絞ったものであること
と定義づけされています。
では、効率的な練習が大事だとすると、練習時間を最大限に活かすにはどのようにしたらいいのでしょうか?
1目の前の作業に集中すること
できる限り気が散らないようにパソコンやテレビを消し、携帯を機内モードにします
260人の学生を対象にしたある実験では、パソコンとケータイの電源がオンのとき、学生が課題を続けられた時間はわずか6分だった。特にFacebookが気が散る最大の原因でした。
以下のリンクはデジタル機器と集中についての記事です。
2ゆっくり正確に始める
最初はゆっくり始めましょう。その代わり動作が正確であることが必須です!
正確な動きも不正確な動きも繰り返しによって身につきます。だから例えばヴァイオリンの演奏で、間違った音程、弓の位置、テンポで練習を続けると、悪い癖が体に染み付いてしまいます。(悪い癖の脳神経回路がどんどん強化されてしまうので)
だから、質の高い動作の繰り返し・練習を続け、少しずつスピードを上げていくと正確にできる確率が高まります。
3時間を区切る
決められた時間内に繰り返すことが一流の演奏家などに共通する練習風景。ある研究によれば、多くのトップ選手・音楽家・ダンサーは自分の技能に関する活動に50ー60時間を費やすようです。彼らの多くは効率的な練習のために使える時間を区切り、時間制限を設けた日常練習のメニューごとに区切っているようです。時間制限を設ければ自ずと集中力も上がりますもんね!
最後に信じられないけど、本当に興味深い練習方法を!
詳細を鮮明に思い浮かべ脳内で練習しよう!
一旦身体動作が確立するとそれを想像するだけで、強化できることを示唆する研究があります。
144名のバスケットボール選手を2つのグループに分けました。
グループAは
実際に体を動かし、片手でのフリースローの練習をします。
グループBは
頭の中で練習しているのを詳細鮮明に思い浮かべ、脳内で練習します。
=>2週間後、両グループの中級・ベテランレベルの選手はほぼ同程度上達しました。
以下はイメージトレーニングの記事で、参考までに!
脳科学の研究が進むと、効率的練習が可能になって、個人の能力は上がっていきます。脳科学はここ数十年で、かなり研究が進んだようです。
この時代に生まれてよかった!って思わせてくれますよね!
何か上達したいな、と思っていることがあれば参考にしていただけたら幸いです!
それでは!