効果が低いのに多くの人が実践する練習法が判明
こんばんは!
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大島先生の記事を読んでいない方は、チラ見してから今回の記事を見るのも参考になるかと思います!
今回は効果の低い練習が判明したということで、ある記事に沿って展開していきます。今日この記事に書いてある通りに練習していたら、父親に音色もリズムも流れもいつもとり良くなったね、と言われました。自分でもこの練習法を試していつもよりいい演奏になったなと実感しました!(あくまで主観的な意見でしかないですが笑笑)
皆さんは普段練習をどのようにしていますか?
昨日練習したことが、今日の練習初めに全然習得されてなくて、がっかりしたことはありませんか?弾けないところは、弾けるようになるまで練習してから違うところを練習するべきだと思いますか?最近の研究によると、効果の低い練習法は、弾けるまで、同じところをずっと繰り返す練習法だとわかりました。blocked practiceと言います。
衝撃ですよね?多くの音楽家は、できないところはできるようになるまで繰り返して練習するべきと先生から教わってきました。これが、誤りだったって言うことです。でもある練習方法を取り入れるだけで、練習の成果が2倍以上に上がったのです。今日は、どうすれば、練習時間をより質の高いものにできるのっていう疑問に答える研究について記事にまとめます!参考になれば嬉しいです!
以下記事に出てくる、硬直練習、無作為練習、相互相乗効果は、blocked practice schedule, random practice schedule, the contextual interference effectのオリジナルの日本語訳です。(公式に日本語訳がなかったので勝手に和訳しました!)
なぜ、多くの時間を費やした練習は一夜にして意味のないものになってしまうのか?
私たちの脳は、変わるためには、繰り返しではなく、注意を払うようにプログラミングされています。繰り返すことの重要性を教えられますが、ただ同じ箇所を繰り返すだけでは、脳は全然働いてないんです。
この特徴は言語能力習得前の乳児にすでに観察されています。赤ちゃんに同じ物体を繰り返し見せると、その物体に注意を向けなくなります。いわゆる、馴化が起きるのです。但し別の物体に変えると注意力が全回復します。
馴化(habituation)とは、
心理学における概念の一つで、ある刺激が繰り返し提示されることによって、その刺激に対する反応が徐々に見られなくなっていく現象を指します。特に報酬をもらうわけでも有害なわけでもない中立的な刺激に対して生じやすいものです。
これは大人にも同じことが言えて、fMRI(functional magnetic resonance imaging 機能的磁気共鳴断層撮影)を使うと、同一刺激が繰り返された時、脳の活動がますます減少していたことがわかりました。繰り返された情報は新情報ほど脳活動を促さなかったのだ。
一貫した繰り返しは退屈で、頭がぼーっとしてるのは、案外みんなが思っていることなのですが、
本能的な退屈感を聞くことなく、自身を「注意力が足りない!もっと集中するんや!!」って責めてしまうと言う悲劇が待ってるんです。なんとも苦しいです。
じゃいい方法って何なのよ???
硬直練習(blocked practice schedule)と無作為練習(random practice schedule)
1硬直練習(blocked practice schedule)
硬直練習とは、一つの動作が完璧になるまで繰り返し練習が行われ、完璧になる前に次の動作練習はなされないこと
多くの音楽家は硬直練習を実践してると思います。硬直練習は一見合理的に思われます。体に定着するまで、繰り返すのが常識でしょ??って言うのが硬直練習の理由です。難しいパッセージを練習している方が上達してるように感じますしね?でも実際に多くの音楽家がしている硬直練習は長期的に最高の練習ではないんです。
2無作為練習(random practice schedule)
この練習では、パフォーマーは異なるタスクをはじめ続けなければなりません。同じタスクではないと言うのがポイントです。異なるものを始めるって言うのは大変なことです。同じことを繰り返すほど容易ではないです。でもここにこの練習法が効率的である理由があるのです。
この練習法が良いのは、タスクと新たなタスクの間に、脳がこれからする行動について脳内で再構成をしなければならない点です。より多くの脳内活動により、より長期的な学習を得るのです。
確かにその日の中では、1つの活動に大きな時間を注ぐから、硬直練習の方が効果をあげることもあるかもしれません。でも次々と発表される研究が、無作為練習が一貫して長期的成果を上げることを示しています。
この現象のことを相互相乗効果(contextual interference effect)と言います。
じゃあ実際、無作為練習ってどれくらい効果的なのよ?
ここで、1994年に行われた野球選手についての練習と成果についての研究論文を示します。
https://www.gwern.net/docs/spacedrepetition/1994-hall.pdf
実験の中身です。
20回の練習セッションを2つのグループ、硬直練習と無作為練習に分けて、やってもらいました。
その結果、硬直練習の方は練習開始時に比べ25%の成績向上でしたが、無作為練習の方は練習開始時に比べ57%も向上しました。
すなわち、無作為練習の方が硬直練習よりも2倍以上も効率的に成果が上がったってことです。
この結果は野球に限らず、楽器演奏など、他の活動についても同じ結果が得られました。カナダの脳と心理研究所では、無作為練習の方が効率的だったと言う、経験的な支持が受けられました。
実験では、無作為練習は、目標設定や集中についてもいい影響があったと結論づけられています。
無作為練習を活かす方法って?
絶え間ない長時間練習し続けるのではなく、今日練習したいなって思う箇所をいくつか抜粋し、それを時間で区切り、変えていきながら練習するのがいいです。タイマーで短い時間を測るのも効果的です。
とりあえず例を示すと、
時間の長さ 練習する箇所
3分 抜粋 A
3分 抜粋 B
3分 抜粋 C
3分 抜粋 A
3分 抜粋 B
3分 抜粋 C
Etc…
こんな感じですが、相互相乗効果も上げるため、もっと複雑にすると、
時間の長さ 練習する箇所
2分 ロングトーン、音階、ロンストーン、音階、、、
3分 抜粋 A(1つ目のリズムのバリエーションで)
2分 アルペジオ
3分 抜粋 B(1つ目のリズムのバリエーションで)
2分 ロングトーン、音階、ロンストーン、音階、、、
3分 抜粋 A(2つ目のリズムのバリエーションで)
2分 アルペジオ
3分 抜粋 B (2つ目のリズムのバリエーションで)
Etc…
組み合わせは無限大です。あと正確な時間でやることはあまり重要ではないです。
本当に大切なことは、課題を変えることで脳を活性化し続けることです。
脳を活発にさせれば、退屈でなくなり、短時間練習なので目標設定が上手くなり、実質的に生産的になります。
次の日に、前日にさらったところから始められるしね!(前日にさらったことが無駄になりにくいしね!)
大島先生の話との関係ですが、
たくさんの科目をやると必然的に時間を区切らないといけなくなるし、何より色んな科目にふれ脳が活性化された状態が維持されるので学習効果が上がるのではないかと考えた、ということです。
勉強にもスポーツにも楽器演奏にも使えると思うので参考になれば幸いです!
以下は2つの記事で、この理論に理にかなった作業テクニックの記事です、合わせてみると効果が高いです!
以下は参考にさせていただいた記事!
それでは!